2018年1月からオンラインでマンツーマンTOEICレッスンを続けてくださっている生徒さんがいて(以降「Aさん」と表記)、レッスン受講前はTOEICスコア610(2017年9月受験)だったのが2020年12月の結果では820へアップしました。
3年かかったというと長く感じますが、1週間に1回2時間のレッスンでTOEICのスコアが200上がったというのはかなり順調で効率的だったのでは思います。例えば忙しい社会人や学生さんがこのTOEICレッスンと同じ内容の学習を週1回2時間すれば3年後にはTOEICのスコアが200アップしているということです。
このレッスンと同じ内容のコースが学校にあったら、週一の授業だけでその生徒が卒業までにTOEICスコア200アップしていることになります。(もちろん多少の個人差はあるとは思います。)
Aさんの受講したレッスン時間(累計)とTOEICスコアの推移
- 下グラフはAさんの「レッスン時間(累計)とTOEICスコアの推移」です。
- 累計レッスン時間 :212時間
- TOEICスコア :210UP(610→820)
↑↑2020年12月の時点での結果です。
レッスン1時間当たり1点上がっている結果でした(わかりやすい!)
↓↓下の表は、Aさんの「TOEICスコア・レッスン回数と時間・テキスト完了率」を入力したものです。
AさんのTOEIC学習は主にこのマンツーマンレッスンのみで、自宅学習はほとんどしていないとのこと。(TOEIC以外の英語学習はレッスン外で単発の講座受講や多読をしていたとおっしゃっていました。)
ということは、結果的にこのレッスンは「TOEIC学習内容&時間とその効果」についての実験になったのではないかなと。
レッスンの内容と時間は詳細に記録してあるし、AさんはこまめにTOEICを受験してくれていたので、
「どれくらいの学習時間と学習内容でTOEICのスコアがどのように上がっていったのか」
を調べたら面白そうと思い、まとめることにしました。
ちなみに、ブログにレッスンのことを書くことについてAさんからはオーケーいただいております。「なんでも自由に載せちゃってください」と言ってもらえて、大変ありがたいです。
ということで本日は、AさんのTOEICレッスン内容について書いていきたいと思います。
AさんのTOEICレッスンの記録
Aさん基本情報
- 50代 男性
- 都内在住の会社員
- 仕事で英語を使用する機会はほとんどない
- TOEIC学習の主な目的は「趣味」
このTOEICレッスンの概要とコンセプト
レッスンの概要
- 1回2時間
- 月に3~4回
- 2時間のうち、1時間40分くらいをTOEIC公式問題集を使った学習、20分くらいを英文法学習
- 2018年1月から2021年3月まで、約3年(レッスン回数112回)をかけて公式問題集1冊の学習を完了(現在はTOEIC Speaking対策レッスン実施中)
レッスンで使用したテキスト
- TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編(←これはちょっと古い問題集です。最新はこちら)
- English Grammar in Use(←Aさんが持っているのはこの最新版(5th Edition)、私が持っているのは4th Editionでレッスンは4th Editionで進めています。内容はどちらもほぼ一緒。)
このレッスンのコンセプト
- 1冊のTOEIC公式問題集を、1問1問丁寧にしっかりじっくり学習する
- トレーニング(音読・ディクテーションなど)や復習(単語テストなど)もレッスン中に行う
という2点がこのレッスンの特徴です。普通のレッスンなら宿題または自己学習とされる「音読や単語学習」もレッスンの時間内に行っています。
学習内容は、私が行って実際にスコアが105上がったときの方法を生徒さんに合わせて少しアレンジしました。
私が実際にやった学習方法はこちらの記事で詳しく書いています↓↓
TEST1のQ1からTEST2のQ200まで合計400問、本当に1問1問丁寧に学習していきました。
1冊の公式問題集を終えるのにかかったのはなんと3年!レッスンスタート時にはまだ1歳でバブバブしていた娘も今では幼稚園年中になって毎日走り回っております。
このレッスンでは、丁寧な内容解説に加えてトレーニングも組み込んでいます。
トレーニングというのは具体的には、下記のような内容の学習です。
- 音読
- シャドーイング
- ディクテーション
- 単語テスト
毎回がっつりレッスン時間の3分の1以上(4-50分)はこれらのトレーニングを行っていました。
ふつう英語授業は「解説」中心で、復習やトレーニングは各自レッスン外の時間で好きなだけやる、というスタイルが一般的かと思いますが、このマンツーマンレッスンでは必要な【トレーニング・復習】をパッケージ化してレッスン時間内に組み込んでいます。
このスタイルの利点は
- 学習計画を自分で立てなくていい(どんな学習をいつ・どうやって・どのくらいやるか)
- 学習方法を自分で調べたり探さなくていい(ディクテーションやシャドーイングのやり方など)
- 学習モチベーションがそんなに必要ない(毎週決まった時間にレッスンさえ受ければいい)
そして欠点は
- レッスン時間分お金がかかる
です。
公式問題テキストの学習完了率とスコアUPの関連性
↓↓こちらは、上の図から「TOEICスコア・テキスト完了率」を抜粋した表です。
↓↓下は上の表をグラフにしたものです。
赤い折れ線が「公式問題集の学習完了率(右側の数字に対応)」、青の棒が「TOEICスコア(左側の数字に対応)」です。
公式問題集の学習完了率とTOEICスコアがほぼ比例して上がっています。
完了率48%でスコアは100UP(610→720)、93%でさらに100UP(720→820)
公式問題集のTEST1を終えるくらいで110UP、TEST2をほぼ終えた時にさらに100UPという結果です。
テキスト半分完了で100UP、テキストすべて完了で200UPという、これまたわかりやすい結果になっていました。
具体的なレッスン内容
具体的にどんな学習&トレーニングをどれくらいやったのか書いていきます。
TOEICレッスン以外の学習の影響について
最初の方でも触れましたが、Aさんは私のTOEICレッスン以外にもいくつか講座を受けていたり自己学習もされていました。
下記が「Aさんが(私の)TOEICレッスン以外にやった英語学習リスト」です。
リストアップしてみると多くの自己学習をしていらっしゃいます。
これらの学習がTOEICのスコアにどれだけ影響したのかというのは測りようがないのですが、私の経験から推測すると「40-60点分くらい」じゃないかなと思います。
理由は、
- アウトプットの学習でリーディングとリスニング力はあまり上がらない
- TOEIC以外の教材を使った学習でTOEICのスコアをあげるには時間がかかる
- とはいいつつ600から800はわり何をやってもスコアをあげやすいレベル
という自分の経験からの理由がひとつ。自分の経験というのは「1年4ヶ月の留学でTOEICは825→865へ40しかアップしなかった(IELTSのライティングとスピーキングは5.0→7.0へアップした)」ことです。留学中はアウトプットの学習・練習が中心で、英語力はあがった実感はありましたが上がったのはスピーキングやライティング力が中心でリスニングやリーディング力はあまり変わっていませんでした。つまりアウトプットの学習だけだとLRの底上げにはあまり貢献しなかったです。
もうひとつは、Aさんご本人に「アップした英語力のうち何割くらいがこのレッスンの効果と実感していますか」と聞いたら「7-8割だと思います」という解答だったという理由です。
どちらも直感的なものなので、信じるか信じないかはあなた次第となっております(都市伝説かっ)が、テキトーに言っているわけではなく自信はあります。
まとめ
AさんからTOEICスコアの報告は都度受けていて「わりと順調にスコアアップしているな」とは思っていましたが、こうやってグラフにしてみると思ってた以上にレッスン時間や公式問題完了率にほぼ比例してスコアが上がっていました。
やればやった分だけ結果が出る・スコアが上がるところがTOEICの面白いところだと私は思います。
そしてやった分の結果を出すために重要なポイントは、
という点です。
- 繰り返し同じセンテンスを聞いてディクテーションをする
- 何度もシャドーイングする
- 何度も音読する
私もこの方法でTOEICのスコアが短期間で100上がりました。Aさんのレッスンも基本この方針で行い、Aさんは200ほどUPしています。
この方法でTOEIC学習をすれば、独学でやったとしても350~400時間程度の学習でスコアを200UPできるのでは、と私はかなり確信しています。(独学のほうが時間がかかるのは、解らないところ調べる時間や調べる際に答えが見つからない沼にハマってしまう時間、学習のリズムやコツをつかむのにかかる時間が増えると考慮した分です。)
興味ある方、ぜひお試しください!
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